「広島県Web公募美術展」の開催について


新型コロナウィルス感染症感染拡大防止のため、県立美術館で開催を予定していた第8回新県美展(第72回広島県美術展)(令和2年6月13日~6月28日)を中止とする代わりに、引き続き創作活動を奨励するとともに、美術鑑賞の機会を提供する観点から、出品に向けすでに創作された作品等を対象に、インターネットを活用して公募し、優れた作品を公開する「広島県Web公募美術展」を開催します。

本美術展の開催に当たり
次のとおり金田晉様からメッセージをいただきました。


お祝い、そして伝えたいこと

金田 晉(広島大学名誉教授)

金田 晉(広島大学名誉教授)

広島県美展の歴史は長い。
 私たちが今「原爆ドーム」とよぶ広島県物産陳列館は1916(大正4)年、第1次世界大戦の最中だからヨーロッパでは建てられるべくもなかったが、総ガラス張りで楕円ドームを冠せた、世界でもっともモダンな殿堂として、広島に誕生した。翌年その館で、第1回広島県美術展覧会が開催された。入館者は38,000人にのぼったという。中央の画壇で活躍する作家も地元のセミプロの画家も入り乱れて盛況だった。第2次世界大戦たけなわの1943(昭和18)年までつづいて中断した。
 だが「県展(ケンテン)」で育った作家たちは、被爆下の廃墟の中1949(昭和24)年、広島県美術展第1回展(ケンビテン)を復活させた。会場は焼け残った福屋ビル4階だった。1968(昭和43)年からは、開館された広島県立美術館を会場としてきた。日本の美術界を牽引する実力のある作家が育っていった。
 だが今年、コロナウィルス危機に直面して、日本国内のイヴェント、会合は禁じられた。学校、大学も閉鎖された。美術教室も閉じられた。作品の搬入もままならなかった。72回目の県美展は中止せざるをえなかった。中断は戦時期以来である。
 かわって「広島県Web公募美術展」が開催される。作家の県美展に托す思いが尊重されたのだ。有難かった。コロナを超えて、広島県民の美術の歴史が今年もつながってゆく。県美展の精神は生きている。
 Website の世界には、作品の質感や大きさが見えないなど、たしかに不足はある。反面Website ならではの、新しい可能性もあるはずだ。何しろこの新しいコミュニケーションツールに、さまざまな芸術性を開拓してゆける。私はこの展覧会を期待している。
 来年以降、県美展がまた復活することを願っている。そして、このWebsite美術展が県美展の一部門に加わってゆくことを願っている。
 「広島県Web公募美術展」の開催、おめでとうございます。

主催:広島県  共催:中国新聞社